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医薬企業を対象とする商業賄賂防止コンプライアンス指導に照らした 医薬企業におけるコンプライアンス制度の構築(前編)

2024-11-27/ 弁護士コラム/ 弁護士 金英蘭 倪雨桐

国家衛生健康員会等14の政府機関は2024年5月17日2024年医薬品売買分野医療サービス風紀秩序是正業務要点」(以下「風紀秩序是正業務要点」)を共同で公布した。その中においては医薬業界流通販売使用・経費精算の段階存在している突出した問題の指摘、コンプライアンス経営に向けた医薬品分野への各参加主体への指導督促、および医薬品生経営企業行為を対象とするコンプライアンス指導化が行われており、2023年公布された2023年医薬品売買分野医療サービス風紀秩序是正業務要点」に比べると、医薬品売買分野における商業賄賂に対する管強度継続的に引き上げられている

 

2024年3月以降、多くの省においては表のとおり医薬企業を対象とする商業賄賂防止に向けたコンプライアンス指導が立て続けに公布されている。各地における指導いずれも行政上の強制的な効力を有しない一般的な指導にとどまってはいるものの、一定程度においては法執行機構による法執行傾向体現されており、医薬業界主体たる企業商業賄賂防止に向けたコンプライアンス管理業務実施するに当たっての重要参考価値を帯びている

 

公布時期

公布元の

省(または地区)

指導

2024.3.7

河南省

「医薬品生経営企業商業賄賂防止行政指導」

2024.3.18

四川省眉山市

「眉山市医薬企業医療機構商業賄賂行為防止コンプライアンス指導(試行)(意見募集稿)」

2024.4.16

湖北省

「湖北省医薬企業商業賄賂行為防止コンプライアンス管理指導(試行)」

2024.5.16

龍江省

「医薬企業商業賄賂防止コンプライアンス指導(試行)」

2024.6.18

山西省

「医薬品生経営企業商業賄賂防止コンプライアンス指導」

2024.6.21

福建省

「福建省市場監督管理局医薬品分野商業賄賂防止コンプライアンス指導」

2024.7.10

重慶市

「重慶市医薬品分野商業賄賂防止コンプライアンス指導」

2024.7.15

河北省

「河北省医薬企業商業賄賂防止コンプライアンス指導(試行)」

 

本稿においては、くの区においてこのところ公布されている医薬企業を対象とする商業賄賂防止に向けた指導における要点整理を通じて医薬企業によるコンプライアンス体系構築のための参考資料を提供するよう期せられている

 

一、医薬品の分野における商業賄賂よく見受けられる形態

 

現行「反不正当競争法(2019改正)」第七条によると、事業財物その他の手段採用して次の各項の組織または個人に贈賄し、これにより取引機会または競争上の位性の獲得を企図する場合には、これは商業賄賂行為に属することになっている。

(一)取引相手従業員

(二)取引相手からの委託を受けて関連事務処理する組織または個人

(三)職権または影響力利用して取引影響を及ぼす組織または個人

 

ここで注しなければならないのは、2022年11月22日公布された「反不正当競争法」(改正案意見募集稿)(以下「意見募集稿」)においては取引相手も、贈賄対象範ちゅうに含まれており(すなわち、現行法において規定されている「取引相手従業員」から「取引相手またはその従業員」へと拡大されており)、同意見募集稿は今のところは審議を経て可決されてはいないものの、法執行強度の引上げのすう勢依然として明確に示されている、という点である

 

ところが、「反不正当競争法」において商業賄賂基本的な枠組みが規定されているにもかかわらず、実践においては法網をくぐる行為依然として横行し、商業賄賂の実務は活発に繰り広げられており、これが法執行難度を高めているだけではなく、さらには企業における法令遵守の敷居も引き上げている。コンプライアンス業務実践上、ある行為が果たして商業賄賂に属しているのか否かという問題をめぐる照会は、医薬企業から当所にも頻繁に寄せられている

 

今年に入ってからくの域において公布されているコンプライアンス指導においては、医薬品の分野における商業賄賂具体的な状況明確化を通じてコンプライアンス体制構築に向けた構想が提供されており、これらは非常に参考価値を有してい中でも重慶市において公布された指導は、全国で初となる医薬品全分野にかかわる商業賄賂防止に向けたコンプライアンス指導として、その規定比較的に全面的となっている。重慶市における指導基礎とし、その他の地区における指導内容も踏まえた上で、医薬品の分野における商業賄賂発生段階においてよく見受けられる形式と、医薬企業注意しなければならない要点に対する整理を以下のとおり行う。

 

(一) 直接的かつ物質的な利益輸送形式

 

1. 贈答品エンターテイメント活動

これは例えば、贈答品贈答または旅行食・エンターテイメント活動手配を通じ医療機構またはその部署従業員への不当な利益の供与などを挙げることができる

2. 協賛寄附

これは例えば、協賛または寄附方法を通じ医療機構またはその部署従業員への不当な利益の供与などを挙げることができる

    

その他の形式べると、直接的かつ物質的な利益輸送比較的に容易に認識される商業賄賂形式ではあるが、方法単であり、かつ、効果直接的であることから、依然として多くの企業がこのようなリスクを冒している2024年6月上海市長寧区市場監督管理局取り締まった上海市のある医療投資会社商業賄賂案件において、血液化類医療消耗品を経営するある会社は、関係性の維持管理と業務開拓を目的として2050元を支出してロールアップバナーとチラシを製作し、これらを病院した上で使用させていた。このほかにも2023年元旦には2500元現金祝日祝い金として病院血液透析センターの主任に贈与していた事件の発覚後において、同「反不正当競争法」第七条第一第(三)号の規定への違反認定され、20万元過料が科せられている

 

実務においては、金額の低いわずかな恩恵であれば商業賄賂に該当することはなく、新や祭日にいくらかの気持ちを表したとしても物事の主要な局面には何らの差し障りも生じることはあるまい、と考える企業は経常的に存在している。本件における商業賄賂金額はわずか4000元あまりであったが、依然として重罰を受けている。重慶市のコンプライアンス指導においても、「行為真実性合理性合法性重点となり、贈答品協賛寄附その他これにかかわる活動プロジェクトの価値対象・期・回数・、商業的な販売との関連性の有無、排他性の有無などの面からが行われる」という旨が明確にされているこの点からも明らかなとおり、金額唯一重点ではなく、前述事例のとおり「祝日祝い金」「協賛宣伝」等を供与する行為はその贈答目的と贈答対象から見てみると典型的な商業賄賂行為に明らかに属しており、たとえ金額が高くはなかったとしても、処罰を逃れることは依然として難しい

 

(二) 名目用する形態

 

名目の借用とは、合法的な活動の外観を装った商業賄賂行為への従事をいい、よく見受けられる名目としては、例えば次のような例を挙げることができる。

 

1. 販売費プロモーション費用などの種々の名目または形式を借り関連費用精算

2. コミッション支払名目を借り不当な利益の供与

3. 学術活動、科究提携、学術サポートなどの実施名目を借り不当な利益の供与

4. 区画賃貸借の名目を借りた賃貸借収と、医療衛生機構における診療活動との間における関連付け

 

名目借用の認定についてもコンプライアンス指導においては、行為真実性合理性合法性に着眼した上で「名目活動」そのものの事実に即した存在の有無、費用市場における規律への適否、実施方法合理、実施頻度の度な高低、手配される地点妥当(例えば景勝地やゴルフ等への手配の有無)、参加者と主催者との間における関係(例えば現在または潜在的取引対象への該非)などを重点として判断が行われる、という旨が規定されている。

 

実践において企業コンプライアンス体系構築するに当たって「合理性」定義に対するを抱く医薬企業は経常的に存在している。例えば、よく見受けられる講義費用価格の設をめぐっては、社会においても種々のいわゆる部参考」資料が多く存在しており、価格定基準として広まってはいるものの、法執行すう勢から見てみるとつの「絶対に安全」かつ「完ぺきな価格」というのは存在していない可能性がある。一つの事例を見てみると、上海市市場監督管理局2023年5月取り締まった「講義費用」名目をもって行われたある商業賄賂案件において、当事会社2019年11月から2022年10月までの期中、病院の区画における例会実施目をもって、同薬品使用する内のある医者14件の「講義費用」支払っており、その金額は一件当たり1000元から2000元までとまちまちであった事件のにおいて、同90万元過料に処せられている。実際のところくの公立病院風紀秩序是正業務要点」公布前から類似コンプライアンス管理要求に基づいて応の部管理規範既に制定していたこれらの規範には「医者学術交流を行うに当たっては必ず院における届出と承認審査をなければならず、報酬金額合理性の有無にかかわらず、いずれの形式報酬も自ら受け取ることができない」という旨が明確に規定されている

 

この現象には二つのすう勢反映されている。そのうちのつは「講義費用をもって利益輸送合法的な外観する余地は次第に狭まってきている」という傾向であり、もうつは「行政法執行上の要求は絶え間なく引き上げられてい」という傾向であるこのようなたな動向面の医薬品分野において腐敗防止が厳重に取り締まられている形勢の下においては、業界における強い心に値し、コンプライアンス体系既に制定している一部の医薬企業も、コンプライアンス体系に対する速やか調整を行う必要がある

 

(後編に続く)


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