2026年7月1日、全国サイバーセキュリティ標準化技術委員会事務局は「サイバーセキュリティ標準実践ガイド——AIエージェント導入・利用安全ガイダンス」を公表した。本ガイダンスは、AIエージェント(Artificial Intelligence Agent)を様々な業務シーンで導入・利用する過程において生じる新たなセキュリティリスクに焦点を当て、政府機関や企業に対しライフサイクル全般にわたるセキュリティ実践のガイドを提供するものである。本ガイダンスは評価、準備、導入、利用、廃止の5段階をカバーしており、そのうち、導入段階、利用段階、廃止段階において企業が留意すべき重要な要件を以下抜粋する。
1. 導入段階:オペレーティングシステムの管理者権限でエージェントを実行してはならない。エージェントには、所定のタスクを完了するために必要最小限の権限のみを付与することが望ましい。エージェントのアクセス可能なファイルの範囲を制限し、可能な限りインターネットへのアクセスを回避し、攻撃されるリスクを低減する。
2. 利用段階:インターネットに接続されたエージェントを利用する際は、機密データのセキュリティ保護に留意し、データ漏洩を防止する。エージェントに個人情報を提供する場合は、最小必要限の原則を堅持しなければならない。生体特徴情報や家庭内プライバシー等のセンシティブ情報を提供する場合は、慎重に行い、ユーザーの個別同意を取得しなければならない。
3. 廃止段階:エージェントの動作過程で生成されたキャッシュデータ、ログ記録、一時ファイルを安全に消去し、復元可能なセンシティブ情報が残存しないことを確保する。
本ガイダンスは推奨基準であり強制力は有しないものの、規制当局がAIエージェントのセキュリティリスクの将来を見据えて関心を有していることを示しており、将来的に強制力を有する義務に転化する可能性は否定できない。中国の日系企業において、AIエージェントを導入または利用して業務活動(たとえば、カスタマーサービス、データ分析、オフィス・オートメーション等)を行う場合、本ガイダンスに沿ったセキュリティ対策を構築し、特に権限管理およびデータ保護の面でコンプライアンス体制を整備し、AIエージェントの悪用やデータ漏洩に起因する法的リスクに備えることが推奨される。
(出典: https://www.tc260.org.cn/tc260/tzgg/202607/98b6f259f8a3428b8fe1cfea3c0fb19e.shtml)